まず、お読みいただいてありがとうございました。 今回は特別に長いあとがきです。 このお話は、サイト開設当初から掲示板に書き込んでくださる犬彦順椰さまに、少しでもお礼になればとリクエストを頂いて書いたものです。 頂いたリクエストをまとめさせて頂くと、 『学年は手塚と同じ3年。留年していて年齢は1つ上。 アメリカ育ちで父親が南次郎と親友。リョーマとも兄弟同然で無二の親友。一人っ子。祖父母なし。 テニスの腕は手塚並み。プレイスタイルはカウンターパンチャー。 両親は彼の試合を見に来た会場で、爆弾テロに巻き込まれて爆死。彼は骨折のみで生き残る。ショックと後遺症で心を閉ざして入院。1年留年。 退院後、南次郎に引き取られ、リョーマより1週間遅れて帰国子女枠で青学に転入。PTSDのせいで感情が薄く(喜怒哀楽が欠落しているから怒る事も笑う事も無い) 痛みに対して反応が鈍い。その為に無愛想で冷淡な人間と思われがち。本来の性格は温かい。自分の境遇を可哀相だとは認識していない。寂しい・悲しいと理解していても感じられない。 物事に対しては反抗的でも批判的でもないが、積極的にもならない。特にキツイ物言いをするわけではないが、言葉にあまり抑揚がないので「冷たい、怖い」と言う印象を往々にして与えてしまう。 黒目で黒髪。可愛いより綺麗系(だから一層冷たそうに見える)切れ長で睫毛長し。細身。身長167cm。一人称は「オレ」』 今回、あえて設定を変えさせて頂いたのは、両親の死に方です。リク内容だと、どうしても両親以外に死亡者を出さなければならなくなりますし、お話とはいえ、時世的にもわたしには処理できない事柄だと判断して、変えさせていただきました。 主人公の状態も、PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉を使いませんでした。これは、言葉を出しただけですべて説明できた気になってしまいがちなので、『感情をうまく出せない喋り方』ということのほうを表現するために、あえて出さずに書くことにチャレンジしてみました。 あと、リクエストにはなかったちょっと思わせぶりなリョーマの存在ですが、これは完全にわたしの趣味です(笑) でもリョーマと主人公の間にあるのは、親愛で、恋愛ではないというスタンスで書いてました。手塚にケンカ売ったり、近づかないでくれと言ったりしてますが、それも心配ゆえです。恋愛感情だとしたら、生ぬるいこと言わずにはっきり「恋人!」と宣言しているだろうし、「近づかないで」なんて可愛いこと言う前に、押し倒してると思います(笑) リョーマにとっては、大事なお兄ちゃんが傷ついているから、今度は俺が守ってやる!って決意してたのに、横から変なヤツ(笑)が出てきて焦っているといったところでしょう。手塚にとっては大変な小姑です。 わたしがどこまで表現できたのかは、読んでくださった方々と、犬彦さまが判断するところだと思いますが、わたしなりに頑張って書いたので、とても気に入ったお話に仕上がりました。できればまた続きも書いてみたいですね。テニス、させてあげられなかったし(笑) では、ここまでお読みいただいてありがとうございました。 |